電話による脅迫詐欺にご注意
2005年8月9日
宇佐美 保
最近、私の知人(仮称:気の毒氏)は電話による脅迫に大変悩まされました。
気の毒氏は、4〜5ヶ月前から、“外部から、自分にくる電話は取次がないでくれ” と職場の皆に言っていました。
当時は、不思議だな?位にしか感じていませんでした。
しかし数日前、何故か外部からの電話が、気の毒氏に取次がれてしまいました。
そして、気の毒氏はその電話口で、
“お金なんか借りてませんよ!私の自宅にだって、何回こんな電話をかけてくるのですか!警察へ訴えますよ!……” |
と相手方に訴えていましたが、なかなか電話を切る事が出来ない様子でした。
でも、暫くして、気の毒氏は
“もういい加減にしてください!電話切ります!” |
といって、受話器をガチャンと落としました。
そして、直ぐ又、電話が鳴りました。
そこで私は受話器を取りました。
途端に
“お前は、「気の毒」だな!” |
との怒鳴り声が聞こえました。
ですから
“そうですが、何の用ですか?” |
と気の毒氏に成りすまして訊ねますと、
“お前に貸してある金を返せよ!” |
“借りてませんよ!” |
と大声で答えて、気の毒氏の方を見ましたら、「借りていない」との素振りをされました。
そこで
“幾ら借りたと言うのですか?” |
と訊きますと、
“4万円だ!” |
と又怒鳴っています。
“そんな金借りてませんよ!いつ私が借りたと言うのですか?” “お前が借りたんだから、借りた日くらい覚えて置け!” “でもいつ借りたと言うのですか?” “五月蝿いな、お前に4万円貸してあるんだ!” “一体あなたは、どなたですか?” “×××と言う金融業の桑田(?)だ!” “そんな方、知りませんね。” |
すると、相手の電話の奥で、気の毒氏のお名前と職場名などを別の人に調べさせて、読み上げているような声が聞こえてきました。
“お前そんなに、白を切ると、職場の周りに、お前が金借りて払わないでいるとのチラシをべたべたと張りまくるぞ!” |
“どうぞご勝手に” |
とこのような、全くテレビや映画で見聞きする、やくざの脅し声そのものの電話が長々と続きました。
こんな電話がない日のように自宅や職場に掛かって来ては、面倒くさいから、4万円払えば方がつくのだから、相手の言いなりになって“借りてはいないけど、4万円を払ってしまえ!”と、やけくそになられる方も多いのではないでしょうか?
でも注意してください!
私も、
4万円くらいで、大層な電話をかけてくるなんて不思議だな? どうせ脅し取るなら、“数十万円、数百万円の借金を返せ!”と吹っかけて来ればよいものを? |
と思いました。
しかし、電話していると
相手が私(気の毒氏)がいつ、4万円を借りたかを云わないのです。 |
ですから、たとえ4万円との低額といえども、面倒でも、絶対に4万円を払うと返事してはならないと感じました。
何故なら、借りた金額は4万円でも、一旦返すと言ってしまったら、その後、高額の利息を要求して来る筈です。
(私が悪でしたら当然そういう行動に移ります。
この手口は実にうまく考えられていると変な感心をしました。低額でふっかけて、先方が、こんなはした金でとやかく言われるのはかなわない、そして、面倒くさがって、払うと言ったら、高額な利息をブッタクリに行くのでしょうから!)
そして、借りた時が、何年も前、いや?何十年も前?ということになって、サラ金利息の莫大な金額を(それこそ、何十万円、何百万円)むしりとりに出るのでしょう。
そこで強引に電話を切って、職場の責任者に事情を説明したところ、総務課に相談され取り合えず、職場への直通電話が外部から掛からないようにする手立てを取ることになりました。
それだけでは、気の毒氏の自宅対策が出来ませんから、
“相手方の電話番号表示が出来る電話に替え、又、その事が可能な契約を電話会社に依頼し、相手方の電話がいわゆる「いやよ電話」(自分の電話番号を表記するのを電話会社に申し出ていて、その電話機に電話番号が表記されない電話)であったら、受話器を取らないようにすべき” |
と気の毒氏に進言しました。
そして、気の毒氏も“警察に届ける”と云いました。
そして、数日したら気の毒氏は晴れやかな顔になりました。
“警察に行ってきてきて、多分、解決した” |
とのことでした。
気の毒氏の奥様が、相手方の電話番号を控えて居たそうなのです。
(気の毒氏が不在の時に、「この番号に電話するように!」と言い置いたメモ紙を保存してあったのだそうです。
なんだか相手方も頓馬みたいですよね、自分の電話番号を知らせるなんて!
でもそんなことでも、彼らの詐欺電話に引っかかってしまう方が多いということなのでは?)
そして、警察が、その電話番号に電話して(はじめは警察と名乗らないで)色々訊いたところ、気の毒氏のような方々の名簿が売られていて、その名簿から「気の毒氏の名前を消す代金だ!」と今度は言ってきたようです。でも、さいごに“こちらは警察だ”と名乗ったら相手は慌てて電話を切ったので、もう大丈夫だろうということでした。
でも、警察は名乗るだけでなく、脅しの相手を捕まえてくれるような算段を取っていただきたいものです。
なにしろ最近、気の毒氏同様な訴えが何件も来ていたそうですから。
そして、気の毒氏はご自宅の電話を、
相手方電話番号表示可能な電話機に取り替え、又、表示可能となる契約をしたそうです。 その上、件の電話が掛かってきたら、受話器を取って、「1442」(でしたかしら)の番号を押すと、もうその番号の電話からは掛かってこなくなる |
契約もしたそうです。
(電話会社は、通話料だけで競わないで、このようなサービスでも競って頂きたいものです。)
私にも、気の毒氏のような嫌な電話(詐欺ではありませんが)が掛かってきた事があります。
その電話は次のようなものでした。
開口一番
“お宅は、持ち家ですか?借家ですか?” |
と知りもしない人からの電話です。
私は云いました
“何故、見ず知らずの人に自宅が、持ち家か、借家かを私が答えなくてはいけないのですか?そんなことを訊くのは失礼ではありませんか? ……貴方はどなたですか?” |
“持ち家か?借家か?をを聞いて何処が失礼なんだ!……俺は、建築会社ト××ンの営業だ!” |
そこで、持ち家か?借家か?はプライバシーの問題であって、他人が自由に聴き質せる問題では無いのだと、色々説明しても、相手は理解出来ないようでした。
否!理解する気持ちなどさらさら無いのです。
そして、最後には
“テメエの言い方は生意気なんだよ!……丁度今、俺は懇意にしている「ヤクザさん」と一緒なんだ!……これから、二人で一緒にテメエの家に行くから待ってろよ!逃げるなよ!” |
と脅しに掛かってきました。
ですから“ああ!待ってるよ“と答えました。
でも何かが起こっては嫌ですから、電話を切った後直ぐお隣に御願いの電話をしました。
“こんな事がありましたので、私の怒鳴りあう大声が聞こえましたら、その旨警察に電話してくださいね”と。
そして、待っていても、(幸い)来ませんでした。
しかし、いつ嫌がらせをされるか分かりません。
特に、タバコの吸殻などを庭に投げ入れられてもかないませんから、庭の落ち葉を整理したりしました。
そんな事があっても、私は殊更に、見知らぬ方からの電話にも極力誠心誠意対応してきたつもりです。
何故かと申しますと、私の妹は、電話で本の注文を取る会社に勤務していて、毎日沢山の電話を見知らぬ方々にかけ、その苦労話を聞かされていましたから。
でも、こんなヤクザ紛いの電話が多く掛かってきたり、“お金儲けの良い方法がありますので如何ですか?”などと掛かってきますと、そんなにお金がうまく儲かる方法があればご自分でその方法でお金儲けすれば良いではないか!と怒鳴りたくなってしまいますので、最近では、(知人友人には申し訳無いのですが、)
私は、留守番電話のままにしています。 |
そして、留守電の録音中に知人友人の声を聞いたら、受話器を取るようにしています。
何故、世の中、ヤクザ紛いの輩が溢れ出してしまったのでしょうか?
小泉首相の国会答弁などは、気の毒氏を脅した輩の電話の応対(?)に一脈通じるところがあるように感じています。 大変悲しいことです。 |
このような状態は、日本人の民度を如実に示しているのでしょうか?
こんな民度を、世界に誇れるというのでしょうか?
中国の民度よりも高いといえるのでしょうか?
石原都知事は、現在の日本人の民度を如何に認識しているのでしょうか?
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